桜島は6月の爆発1回止まりもレベル3継続・マグマ蓄積に変化なし、キラウエアはエピソード50の前駆活動ついに開始でUSGS警戒引き上げ・アイスランドは2,660万㎥超で史上最長蓄積
国内の状況
桜島:6月の爆発は1回にとどまるが、マグマ蓄積・火山ガス放出量は多い状態が継続
鹿児島県・桜島では、噴火警戒レベル3(入山規制)が引き続き継続しています。
6月に入ってからの爆発回数は現時点で1回にとどまっており、直近の噴火は6月21日18時55分の南岳山頂火口での爆発でした。この爆発では噴煙が火口上1,500mまで上昇し、弾道を描いた大きな噴石は9合目(火口から約500m)まで飛散しました。
直近の日別爆発状況を見ると、6月19日・20日・22日はいずれも0回、21日のみ1回という低調な推移が続いています。先々週まで噴火回数が増加傾向にありましたが、ここ数日で活動は落ち着いた印象を受けます。
ただし、気象庁は鎮静化とは判断していません。姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にはマグマが長期にわたり蓄積した状態が続いており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い水準を維持しています。こうした状況から、今後も噴火活動が継続すると評価されています。
引き続き、南岳山頂火口および昭和火口から1kmを超えて噴石が飛散する危険性と小規模な火砕流の発生に対して警戒が必要です。桜島周辺を訪れる際は最新の気象庁情報を必ず確認してください。
海外の状況
キラウエア(ハワイ):「エピソード50」の前駆活動が6月26日に開始、USGS警戒をWATCHに引き上げ
ハワイ島・キラウエア火山のハレマウマウ火口で、いよいよ「エピソード50」に向けた前駆活動が本格化しています。
6月26日午前8時50分(現地時間)ごろ、ハレマウマウ内の北ベントから小規模な溶岩オーバーフローが発生。スパタリング(溶岩飛沫)とガスジェットの勢いが急速に増したことを受け、アメリカ地質調査所(USGS)ハワイ火山観測所(HVO)はキラウエアの警戒水準を「ADVISORY(注意)」から「WATCH(警戒)」へ引き上げ、航空コードも「YELLOW(黄)」から「ORANGE(橙)」に格上げしました。
USGSは、噴泉活動の本格的な開始(エピソード50)を6月26〜27日の予測窓内と見込んでおり、執筆時点(6月27日)ではまさに噴火直前の緊迫した状況となっています。
直前のエピソード49は6月14日に発生し、約7.5時間の噴泉活動ののち突然停止しました。この噴火シリーズは2024年12月23日に始まって以来、1983〜1986年の「プウオオ噴火」の47エピソードを超えており、観測史上最多エピソード噴火として記録を更新し続けています。なお、噴泉活動はすべて国立公園内のハレマウマウ火口内に限定されており、近隣住民への直接的な被害は報告されていません。
アイスランド:スバルトセンギ、2,660万㎥超で史上最長の蓄積期間に突入
アイスランドのスバルトセンギ(Svartsengi)地熱地帯では、2025年7月16日の最後の噴火から約340日以上が経過した現在、地下のマグマ蓄積量が2,660万㎥を超えました。これは2023年以降の一連の噴火シリーズを通じた最大の蓄積量であり、過去に記録された最大値を更新しています。
アイスランド気象局(IMO)は、スンドフヌカル(Sundhnúkur)火口列での噴火を「今後数週間で最も可能性の高いシナリオ」と指定し、6月30日を期限とした危険度評価を継続中です。地盤の隆起は依然として月間約2cmのペースで進んでおり、微小地震活動は低水準ながら噴火直前の静寂期にある可能性も指摘されています。
グリンダビーク周辺の住民や観光客は引き続き最新情報の確認が推奨されており、噴火が始まった際は迅速な規制区域の設定が見込まれます。