富士山噴火 企業の備えと事業継続計画(BCP)

300年来噴火していない富士山。もともと活発な火山である富士山が長期間噴火していないため、次の噴火では地下に溜まったエネルギーが大規模に噴出されるのではないかと懸念されています。
また、近年中に起きると言われている南海トラフの巨大地震が、富士山の噴火を引き起こす可能性についても指摘されています。2025年に政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率を「60~90%程度以上」と発表しています。大地震に連動して富士山が大噴火するのであれば、企業も同等の危機感を持つべきです。
政府地震調査研究推進本部:「南海トラフの地震活動の長期評価」を一部改訂
https://www.jishin.go.jp/evaluation/long_term_evaluation/subduction_fault/summary_nankai/
富士山の噴火は広範囲にわたり火山灰が降ることが予測され、政府や各自治体はいま、危機感を持って対策に取り組んでいます。
迫りくる富士山の噴火に、社会経済を担う企業はどのように備えれば良いでしょうか。
富士山噴火で広範囲に火山灰が降る
富士山噴火で最も懸念されているのは、広範囲にわたる火山灰の降下です。その範囲は首都圏全域に及びます。また、期間も長く、1日や2日で終わるとは限りません。300年前の大噴火(1707年、宝永噴火)では、15日間にわたり火山灰が降り続けました。
噴火活動には溶岩流出や火砕流など様々な現象がともないますが、ここでは広範囲にわたる火山灰の企業への影響について解説します。
富士山ハザードマップ検討委員会による富士山噴火時の降灰予想エリア
富士山が噴火した場合、火山灰はどの地域にどの程度降るのでしょうか。
内閣府の富士山ハザードマップ検討委員会が、富士山噴火時の降灰予想エリアを発表しています。

富士山噴火時の降灰予想エリア
※過去の噴火を元にした15日間の一例です。風向きや噴火の規模によって変わります。
内閣府:大規模噴火時の広域降灰対策について―首都圏における降灰の影響と対策―~富士山噴火をモデルケースに~(報告)(令和2年4月7日公表)
https://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/index.html
各地の降灰予想
内閣府の資料に基づいた、富士山が最大級の噴火を起こし、宝永噴火(1707年)に近い西風で火山灰が広がった場合の到達範囲と15日間の降灰量の予想は以下の通りです。
- 山梨:南東部に10cm〜30cm
- 静岡:富士山の東で30cm〜50cm、御殿場市付近で100cm
- 神奈川:全域に4cm〜30cm、小田原で20cm、相模原で0.8cm、横浜で12cm
- 東京:全域に0.2cm、新宿区で0.3cm、東京湾海上で8.5cm
- 千葉:全域に0.2cm〜0.4cm、市原市で4.5cm、成田市で1.2cm
- 埼玉:広範囲に微量
- 茨城:ほぼ全域に微量
- 栃木:南部に微量
なお、風向きによっては関東全域にさらに多く広がり、東京で4cm、新宿区で10cmとなるケースも試算されています。
降灰期間は15日間を想定だが、それ以上の可能性も
火山灰の降下はどの程度続くのでしょうか。火山の噴火は1日で終わることもあれば、約4年半噴火の続いた雲仙普賢岳の例もあるため、一概に何日で終わるとは言えません。
富士山の最後の噴火である300年前の宝永噴火は、15日間でした。内閣府の富士山ハザードマップ検討委員会では、宝永噴火の期間や風向きを主要な参考指標として、被害や必要な対策を検討しています。
ただ、300年間の沈黙期間中に、マグマ溜まりなどのエネルギーが蓄積されていると予想されるため、次の富士山噴火は宝永噴火を超える規模になる可能性も指摘されています。噴火開始時の爆発が大規模なものであれば、最初の火山灰も甚大な量となり、また15日間を超えて1ヶ月、2ヶ月と噴火が続くかもしれません。
また、噴火時の風向きによっては被害の出るエリアも異なります。
このように、富士山がいつ、どれくらいの期間、どのような規模で噴火するのか、かなりの部分未知数であるのが現状です。
社員、交通、インフラ、サプライチェーン...富士山噴火で予想される被害
「うちの会社は東京23区にあるから、0.2cm程度の火山灰なら問題ないかな」と思ったら、そうとも言えません。火山灰は直接的な人体や建物への被害以外に、思わぬところで都市機能や企業活動に影響を与えます。
広範囲にわたる火山灰が企業活動に影響を与える予測を見てまいりましょう。
社員の健康被害
まず第一に、火山灰が引き起こす人体への健康被害があります。火山灰の正体は小さなガラス片のため、目に入れば角膜(目の表面)を傷つけ、鼻腔に入れば呼吸器系統の疾患に影響を及ぼします。
そのため、企業としては社員の健康被害を防ぐ手立てが必要となります。
交通網への影響:電車、新幹線、車の運転、飛行機、船舶の停止または規制
火山灰は普段利用している交通網へ大きな影響を与えます。
火山灰が道路や線路の上に降ると大変滑りやすくなるため、電車、新幹線、バスなどの交通機関の運行停止または速度制限、高速道路と一般道路の利用停止または交通規制、速度制限が予想されます。特に降灰の激しい噴火初期は、新幹線と高速道路は利用停止になる可能性が高いです。
内閣府の検討会では、「乾燥時10cm以上、降雨時3cm以上の降灰で二輪駆動車が通行不能。」と発表しています。四輪駆動車も火山灰が30cm以上積もると通行不能になります。
数日から数週間の噴火と降灰がおさまったあとも、道路や線路に積もった火山灰を除去するまでは、道路と電車に速度制限や交通規制が行われます。これらは社員の通勤、物流、運送業へ大きな影響を与えます。
飛行機は、火山灰がある空域を飛ぶことはできません。エンジンが火山灰を吸い込み、故障やエンジン停止の原因となるためです。羽田空港、成田空港を用する首都では出張や旅行業、航空運送業に大きな影響が出ます。
船舶は、火山灰は視界不良となるため、量によっては視程低下時の基準による航行停止の可能性があります。また、火山灰の影響で停電が起きた場合、港湾で電力で稼働する荷役機械の使用ができなくなります。
このように、富士山噴火による火山灰は、社員の通勤、営業や出張、仕入れや出荷の物流、旅行業、運送業へ大きな被害が予想されます。
電気、水道、ガス、通信網への影響
火山灰は電子回路に触れるとショートを引き起こす性質があるため、広範囲にわたり電子機器や精密機器に被害が出る可能性があります。このことが、電気、水道、ガス、通信網など、ライフラインや社会インフラに大きな影響をもたらします。
首都圏では原発の停止により火力発電に多くを頼らざるを得ない状況が続いており、火力発電所は富士山噴火時に降灰の多い東京湾に多く所在します。そのため、噴火15日後には、電力の供給力が最大42%低下するという試算もあります。電力供給力が低下した場合、医療施設を除いた企業や家庭では電気の使用制限が起きる可能性があります。
また、火山灰が送電施設に0.3cm以上積もり、雨が降ると、ショートによって広範囲の停電が予想されます。火山灰は雨などで水を含むと重さが増すため、場所によっては電線ケーブルの断線や電信柱の倒壊も考えられます。現代の都市では多くの機能の運行や制御に電力を活用するため、電力系統への被害は他のインフラにも大きな影響をあたえます。
水道は上水道において、火山灰による河川の水質悪化と浄水機能の停止、自家発電設備のない浄水場やポンプ場などの停電による停止で、断水や節水が起こりえます。また、火山灰は水に濡れると固まるため、火山灰の流れ込んだ下水が使用できなくなる可能性があります。いずれも、トイレが使えないというレベルだけでなく、業務上大量の水を使用する企業には大きな影響が出ます。
また、火山灰はガスの供給にも影響を与えます。都市ガスは供給システムに制御装置やポンプの稼働に電力を使います。火山灰によって停電が起きた場合、ガスの供給システムは予備電源の燃料が切れるまでの期間しか稼働しません。また、ガス供給施設内においても火山灰が精密機器に侵入した場合、誤作動や故障を引き起こす可能性があります。LPガス(プロパンガス)を使用している地域では、噴火の降灰による交通渋滞の影響で、ガスボンベの輸送が遅れる可能性があります。動力や調理などに日常的にガスを利用する事業者には大きな影響が出ます。
通信網はどうでしょうか。火山灰が基地局の通信アンテナについた状態で雨が降ると、通信を阻害する可能性があります。また、局舎の換気口を通じて火山灰が内部に侵入して電気通信設備の電子回路に付着し、設備が故障する可能性もあります。電力が停止した場合、基地局では非常用電源に切り替わりますが、停電が長期間に及んだ場合、非常用電源の燃料が切れ、通信サービスが停止する可能性があります。一時的にせよ通信の停止や障害が起きる可能性があるため、IT系サービスを多用する企業、または提供する企業には大きな影響が出ます。
このように、富士山噴火にともなう降灰は、企業活動の重要なインフラにも大きな被害をもたらします。
農作物への被害
富士山噴火の火山灰は首都近郊や関東の農業、農作物へも影響をもたらします。
火山灰が葉に積もることで、光合成が低下し、作物の発育に影響が出ます。ビニールハウスで覆っている場合でも屋根に灰が積もることで、日照が不足する状態になります。稲作においては、水田に灰が堆積することで水質が変わり、生育に影響が出る可能性があります。また、最終出荷の生産物にも灰が着くと商品価値が失われるため、除灰作業に大きな手間が取られます。
これらの被害は料理を出す飲食店や生鮮品を提供するスーパーにも大きな影響が出ます。
富士山噴火による事業への影響:売上やサプライチェーンへ打撃
首都圏への広範囲にわたる火山灰は、人体への健康や建物、機器類への直接的な被害だけではありません。移動やインフラ、機器への影響が、売上やサプライチェーン、各種企業活動へも大きな被害をもたらします。
外出控えによる影響
火山灰降下中は多くの人が不要不急の外出を控えると予想されます。小売店、飲食店、サービス業、レジャー業、交通業には大きな打撃となります。新型コロナ初期に似た雰囲気となるでしょう。
旅行、観光、インバウンド関連の冷え込み
人々の外出控えだけでなく、交通機関の停止や規制が旅行業に大きな影響をもたらします。火山灰のある空域は飛行機が飛べないため、羽田空港や成田空港は飛行停止か大幅な減便が予想されます。新幹線も停止または大幅な減便が予想されます。首都圏からの出発と、首都圏へ行く旅行や観光の多くが取り消しまたは延期となる可能性が高いです。
また、海外との窓口である首都の空港で飛行機の離発着ができないため、海外からの観光客は大幅に減るものと思われます。首都圏近郊のインバウンド関連業はかなりの売上減になります。富士山の火山灰の影響を受けない地域では飛行機の離発着が可能ですが、心理的な影響から、海外から日本全国への渡航は一斉にキャンセルされる可能性が高いです。そのため、インバウンド関連の被害は全国的なものになるでしょう。
仮に富士山の噴火は仮に15日程度で鎮静化しても、海外からは当面の間、渡航は不安視されるものと思われます。そのため、噴火期間以上に長く影響が出るかもしれません。
輸送業、運送業への影響
交通網の停止や制限から、貨物の輸送や宅配便、輸送業は稼働に大きな影響が出ます。一般道路や高速道路も速度制限が設けられるため、通常より移動が遅延します。
交通網のほか、ドライバーの出勤や健康状態から、人手不足による影響も考えらます。
外食産業や生鮮食品を扱う事業への影響
首都近郊の農作物に被害が出た場合、対象地域から仕入れている飲食店やスーパー等に大きな影響があります。火山灰被害の対象地域外から仕入れている場合でも、交通網は規制と渋滞で遅延しているため、希望通りの数量と納期は難しくなります。
輸入・輸出関連業務への影響
富士山の噴火は輸入・輸出関連業務にも大きな影響が出ます。火山灰の飛ぶ空域は飛行機が飛びません。他の空港へ迂回して輸出入を行う必要が発生しますが、そこまでの陸路も火山灰による遅延が起きる可能性が高いです。また、特に食品関連の輸出は、「火山灰が付着している」などの風評被害で、輸入停止の措置が取られる可能性もあります。
ネットショップなど通信販売業への影響
人々が外出控えを起こすと、一時的に通信販売の需要が高まります。その点では恩恵を受ける業態の一部と言えます。しかし、火山灰の影響で商品の仕入れができない、注文商品を届けられない事態も予想されます。仕入れできない商品は販売開始の目処が立つまで在庫切れになります。また、スピード配送や日時指定お届けが難しくなるでしょう。
製造業への影響
火山灰の交通網への影響は、部品や資材の仕入れの遅れにつながります。部品や資材が届かないため、製品を完成させることのできない事態が発生するでしょう。また、建物内に火山灰が侵入した場合、設備の不調や故障が引き起こされて稼働できない場合もあります。
盲点としては、自社だけでなく、取引先も火山灰の被害で営業できなくなる可能性もあることです。特定の部品や資材の仕入れを頼る企業が営業停止または納品遅延となった場合、自社の製造にも影響が出ます。
交通網への影響は仕入れだけでなく、自社の納品にも遅れが出ます。納品先も火山灰の影響によっては発注の延期や取り消しの相談が来るかもしれません。発注の取り消しや納品の遅れは、資金繰りでも大きな痛手となります。
建築工事への影響
建築工事については、火山灰降下中は安全面や施工品質の観点から、中止または中断となる可能性が高いです。火山灰降下で視界不良や足場が滑りやすくなり、高所作業が危険になります。また、火山灰がコンクリートに混入すると、強度や凝結に影響を与える可能性があるため、生コン打設は中止になります。外に出ている建機の内部に火山灰が侵入すると、エンジン故障やフィルターの目詰まりを引き起こします。他にも交通網の影響から資材が届かない、人が通勤できないなど、様々な被害が予想されます。
噴火鎮静後も、建築現場の火山除去によって安全性が確認されたのちに、再開となります。現場の安全性が確認されても、資材供給業者やインフラ等で影響は続いているかもしれません。火山灰の程度によっては工期に1ヶ月以上の遅れが出ることもあるでしょう。
ITサービスやコンテンツ配信業への影響
通信インフラに影響のない状況であれば、ゲームやアプリ、コンテンツ配信、クラウドサービスの提供事業者は、大きな被害は出ずに、むしろ需要の高まりで恩恵を受けることが考えられます。
ただ、広範囲にわたる火山灰は、電力の停止や通信障害を引き起こす可能性もあります。利用しているデータセンターが火山灰降下予想エリア内にある場合は、注意が必要です。
介護施設への影響
年配の方や要介護者を多数抱える施設にも大きな影響が出ます。利用者の目や呼吸器官に火山灰が入らないよう、細心の注意を払う必要があります。そのため、外出や散歩は一時的に控える判断をすることもあるでしょう。窓を開けることも禁止されます。外部から仕入れる医療品や食料品、その他用品にも火山灰が付着していないか、細心のチェックが必要です。
これらのことを徹底するほど効果はありますが、利用者やスタッフに大きな緊張とストレスを強いることになります。火山灰被害はなかったのに、利用者の運動不足、換気頻度の低下、ストレスの影響など、別の健康被害が出てくる可能性があります。
企業の経済活動へ広範囲の影響が出る
このように、火山灰には地震や津波のような破壊力はありませんが、企業活動へ広範囲かつ長期の影響を及ぼします。
企業の富士山噴火への対策 社員向けの備蓄
富士山の噴火には溶岩流出や火砕流が発生する可能性がありますが、ここではおもに、広範囲にわたる火山灰へ企業が取る対策について解説します。社員の安全確保と、経済活動への影響を想定した準備をしてまいりましょう。
富士山噴火初動時の帰宅困難者への準備
火山灰が降下する地域では、電車、新幹線、高速道路、飛行機の運行停止や交通規制が敷かれます。噴火初日は帰宅できない社員が多く出ることが予想されるため、企業は職場で夜を明かすことができるよう、帰宅困難者への準備が必要です。
富士山噴火から火山灰が降り始める時間
富士山が噴火してからすぐに火山灰が全域に降るわけではありません。富士山との距離が近いほど火山灰は早く降り、富士山から遠い地域では少し遅れて火山灰が到達します。また、噴火の規模、風向きによっても変わります。
富士山噴火による火山灰到達時間の目安として、神奈川県は噴火発生から数十分から2時間で全域に広がり、東京都は2時間から4時間で全域に広がります。
火山灰が降るまでは電車や車で帰宅できる?
火山灰が到達するまでは、新幹線、電車、高速道路、一般車道が通常通りに利用できます。そのため、富士山噴火のニュースを聞いてすぐに移動を開始すれば、無事帰路に着くことも可能かもしれません。
ただし、交通事業者や各都道府県自治体の判断で、火山灰到達前に早めに交通規制を敷く可能性は十分あります。また、電車、バス、タクシーとも、すぐに混雑して移動が難しくなるでしょう。
そのため企業としては、徒歩や公共交通機関で出勤している社員には、噴火初日は無理して帰宅させず、職場で一晩すごせるよう準備をしておく必要があります。
車で通勤している社員はどうすればよいでしょうか。一般道路は多少の火山灰であれば通行が可能です。しかし、火山灰降下後、高速道路を利用できない車両が一般道路に流入したうえ、速度規制もされます。さらに、火山灰によるスリップ事故が起きやすくなります。車両増加、速度規制、事故など、道路の交通渋滞と混乱は避けられません。車で社員を帰す場合は、帰宅までに通常の何倍も時間がかかることを念頭に置きましょう。車内に飲料水や緊急トイレなどのグッズを用意しておきます。
また、道路の渋滞は緊急車両の通行を妨げます。できれば車で通勤する社員も、噴火初日は職場で一晩過ごせるよう、企業として準備しておくことをお勧めします。
火山灰が降っていても歩いて帰宅できる?
比較的職場の近場に住んでいる社員は、徒歩での帰宅を検討しても良いでしょう。噴火初日は火山灰の量が最も多いため、必ずマスクとゴーグルを着けて移動しましょう。なお、自転車はスリップするため使用を控えます。歩道は公共交通機関を使えなかった大勢の人で混んでいることが予想されるため、歩行には十分注意しましょう。また、途中のコンビニやスーパーは飲食料類が売り切れていたり、早めに閉店する可能性があるため、飲み物やトイレが十分に無いことも考慮しておきます。
よほど近郊に住んでいる社員でない限り、噴火発生初日は、職場で一晩過ごすことを念頭に準備することをお勧めします。
富士山噴火による帰宅困難者対策に必要なもの
以上を踏まえて、富士山噴火によって帰宅困難者対策として、企業は以下の準備が必要です。
職場で一晩すごす社員向け
- ブランケットなどの防寒具
- 非常食 1日3食分
- 保存水 1日3リットル
- 非常用トイレ 1日5回分
- 火山灰対策マスク 1〜2枚
- 火山灰対策ゴーグル 1個
- レインコートまたはポンチョ 1着
車で帰宅できる社員向け(車内備蓄)
- ブランケットなどの防寒具
- 保存水 500ml 1本
- 非常用トイレ 1〜2回分
- 火山灰対策マスク 1枚
- 火山灰対策ゴーグル 1個
徒歩で帰宅できる社員向け
- 保存水 500ml 1本
- 非常用トイレ 1〜2回分
- 火山灰対策マスク 1〜2枚
- 火山灰対策ゴーグル 1個
- レインコートまたはポンチョ 1着
通勤する社員の健康を守る対策:マスク、ゴーグルなどの準備
火山灰は長ければ数週間振り続けます。その間、社員の健康を守るための準備をします。
火山灰対策マスク
火山灰から呼吸器を守るよう、マスクを準備します。マスクにはDS2規格など高機能タイプや、一般的なサージカルマスク(風邪マスク)などがあります。降灰の激しい時期や、外での勤務がおもな従業員には、高機能マスクをお勧めします。噴火から何日か経過して降灰量が減った時期の通勤や、室内勤務時は、一般的なサージカルマスクに変えても構いません。
高機能マスクを選ぶポイントは装着時間と息のしやすさです。DS2やN95などの規格は、布部分の性能と、口や鼻を覆う形状の両方で、微量な粒子を防ぎます。しかし、外部からの侵入を防ぐぶんだけ、呼吸もしづらい特徴があります。短時間の装着は我慢できても、長時間の場合は装着が辛くなってきます。外での勤務や外出の多い方は、呼吸のしやすい高機能マスクを選ぶことをお勧めします。
備蓄する量は噴火と降灰期間によりますが、1週間から2週間程度を想定します。富士山の噴火発生時には市場から一気にマスクが無くなり、かつ物流も遅れると予想されるため、2週間分が理想的です。
ただし、2週間分全てを高機能マスクにするとコストがかさむため、「降灰量の多い最初の3日間は高機能マスク、残りはサージカルマスク」といったように試算します。富士山に近い地域では降灰量が増えるため、高機能マスクの割合が高まります。
必要マスク量の計算例:
2週間中の勤務日数を10日間とし、1人あたり10日分を用意する。
東京や千葉など降灰予想が1cm以下の地域
- 1人あたり:高機能マスク:3枚(3日分)、サージカルマスク:7枚(7日分)
- 社員30人分の場合:高機能マスク90枚、サージカルマスク210枚
- 社員100人分の場合:高機能マスク300枚、サージカルマスク700枚
神奈川南西部や山梨など大量の降灰が予想される地域
- 1人あたり:高機能マスク:7枚(7日分)、サージカルマスク:3枚(3日分)
- 社員30人分の場合:高機能マスク210枚、サージカルマスク90枚
- 社員100人分の場合:高機能マスク700枚、サージカルマスク300枚
火山灰対策ゴーグル
火山灰から目を守るゴーグルを用意します。マスクのみ用意する企業も多いのですが、火山灰で目の網膜に傷がつくと、その後の仕事に影響が出ます。簡易なものでもゴーグルの準備をお勧めします。
ゴーグルは高機能なタイプから簡易なものまであります。外での勤務が主体の場合は高機能ゴーグルをお勧めします。電車や車に乗る際に短時間外に出るだけ、という場合は簡易なゴーグルでも構いません。ゴーグルは穴の空いていない無気孔タイプをお勧めします。
注意点として、普段メガネを使用する方は、メガネの上からかけられるゴーグルを選びましょう。また、火山灰降下時はコンタクトレンズの使用を控えるため、普段コンタクトレンズの方も降灰期間中はメガネになります。
必要なゴーグル数量の計算例
- 期間中同じゴーグルを使うので、1人1個支給。
- 社員30人分の場合:ゴーグル30個
- 社員100人分の場合:ゴーグル100個
レインコートまたはポンチョ
火山灰は衣服にも着きますので、降灰の激しい地域や期間、ガソリンスタンドなど外での勤務が主体の社員には、レインコートやポンチョなど全身を覆う用品の準備も検討します。簡易なタイプで構いません。
必要なレインコートまたはポンチョ数量の計算例:
- 社員30人中、営業で外回りの5人にはレインコートまたはポンチョ支給
- 社員100人中、店頭や運送で常時外にいる60人にはレインコートまたはポンチョ支給
一時的なリモートワークや時短勤務を検討する
降灰期間中と、その後の道路や線路の通常使用への復旧までは、通勤に大きな障害をもたらします。リモートワークが可能な職種であれば、一時的な自宅勤務を検討します。交通網が完全にストップする可能性は低いため、出勤が必要な職種は時短勤務や勤務時間の変更で対応が可能です。
リモートワークをする社員のための準備
PCやクラウドサービス、リモートワークのために必要な機器などを準備します。新型コロナウィルス対策で準備した経験がある場合は、そのまま同じように使えます。
出勤再開の目安を決めておくと、職場と社員の双方に混乱が少なくてすみます。電気や水道などインフラへへの被害の心配がなくなり、公共交通機関がほぼ通常通りに運行されるようになったタイミングが一つの目安です。
建物や室内に火山灰が入らないようにする対策
外を移動する時だけ火山灰対策をすれば良いのではありません。建物内やオフィスへの火山灰が侵入すれば、室内での被害が発生します。火山灰は人体への影響ほか、PCや電子機器にも影響します。室内への火山灰侵入を防ぐ対策を講じましょう。
設備・ハード面の対策
吸気・換気口からの火山灰侵入を防ぐ
屋外の吸気口にフィルターや防塵シートを設置することで、火山灰の侵入を防げます。オフィス内の水場で換気口がある場合は対策をしてください。
窓の目張り
窓の隙間を目張りテープで防ぐことで、火山灰の侵入を防げます。
管理・ソフト面の対策
窓を開けない
火山灰降下期間中は必要がない限り窓を開けないよう、全体にルールを定めましょう。
入室前に火山灰を落とす
マスクやゴーグルをしても、コートや衣服、靴に火山灰がついています。入室前に火山灰を落とせる対策をしておきましょう。ハンディークリーナーがあれば全身の火山灰を吸引できます。入り口に靴の火山灰が落とせるマットを敷くこともお勧めです。
清掃用具の準備
室内の火山灰を吸引できるよう、掃除機やハンドクリーナーを準備しておきます。室内に持ち込んだ程度の火山灰であれば、特殊な掃除機は必要なく、家庭用・オフィス用の一般的な機種で充分です。
店舗や接客業の火山灰対策
お客様が出入りする店舗や接客業の事業者は、火山灰で店内サービスに影響が出ないようしっかりとした対策が必要です。
窓を開けない・ドアを開け放しにしない
火山灰降下期間中は必要がない限り窓を開けないよう、全体にルールを定めましょう。可能なら窓を目張りしておきます。また、普段はドアを開け放しにしている店舗は、降灰期間中は手動での開閉を検討します。お客様にもドアの開閉にご協力いただけるよう、店舗入口に貼り紙などで告知しておくと、理解が得られやすくなります。
吸気・換気口からの火山灰侵入を防ぐ
屋外の吸気口にフィルターや防塵シートを設置することで、火山灰の侵入を防げます。換気口がある店舗は対策をお勧めします。
店の前や店内の火山灰掃除
店舗前と店内の火山灰を掃除できるよう準備をします。店舗前の火山灰清掃はお客様への利便性の他、店内に火山灰が侵入することを防げます。
店舗前が火山灰の降る道路に面している場合、店の前の火山灰はホウキとチリトリで掃きます。掃除中は火山灰が空中に舞うため、必ずマスクとゴーグルを着けましょう。掃き取った火山灰はゴミ袋に入れます。火山灰の捨て方は各自治体の条例に従います。
注意点として、火山灰を下水に掃き捨ててはいけません。火山灰は水に濡れると固まるため、下水の詰まりを引き起こします。火山灰は各店舗の責任で適切に廃棄するよう心がけましょう。
店舗がビル内にある場合、また店内など、火山灰が積もるほどの量でない場所は、掃除機で吸入します。少量の火山灰であれば特殊な掃除機は必要なく、店舗で普段使うもので充分です。フィルターの目詰まりは早くなりますので、替えは早めにおこないましょう。火山灰が少量であればモップや雑巾の使用も可能です。
入口での火山灰落とし
お客様も来店時に衣服や靴の火山灰を落としていただく準備をします。店舗入口には、靴の火山灰が落とせるマットを敷きます。また、ハンディークリーナー用意し、お客様が衣服についた火山灰を吸引できるようにします。火山灰を吸うとハンディクリーナーの目詰まりが早くなるため、小まめにチェックする体制を整えましょう。可能なら、お客様が手や顔の火山灰を拭き取れるよう、ウェットティッシュを置いておくと喜ばれます。
窓や店外設置物の火山灰除去
窓についた火山灰をいきなりワイパー等で強く拭き取るとガラスに傷がつくため、モップやはたきなど柔らかいものを使います。看板など店外設置物もはたきなどで火山灰を落とします。いずれも火山灰が宙に舞って危険なため、マスクとゴーグルを着けておこないましょう。
販売網やサプライチェーンの対策
富士山噴火は広範囲の降灰で、企業の販売網やサプライチェーンにも影響を及ぼします。物流の遅延の他、仕入れ先や販売先の営業停止リスクもあります。
平時より出荷・入荷のスピードと量に制限が出ることへの対策
火山灰が降る期間中は、電車、道路、飛行機の移動にも規制がかかります。そのため、通常の出荷・入荷に比べて納期が遅延する可能性が高いです。自社、他社ともに十分な在庫を確保できない場合は、仕入れや販売の量にも影響が出ます。
富士山噴火の期間が2週間程度の場合、物流への影響が出るのは2週間から長くて1ヶ月程度です。対策として、1ヶ月程度仕入れが滞っても製造や販売を続けられる生産計画、在庫の確保をしておきましょう。
仕入れ先や販売先が営業停止になった場合に備える
富士山噴火被害の深刻度によっては、営業停止期間が長期化、最悪の場合は倒産する企業も出てきます。自社のみならず、重要な取引先が富士山噴火でどの程度の影響が考えられるか、調べておきましょう。富士山噴火のハザードマップや降灰予想エリアを見て、被害が深刻になると予想される範囲に自社の重要な取引先がある場合は、自社の事業が継続できるよう対策が必要です。
富士山噴火の影響を受けない仕入れ先や取引先を開拓しておく
富士山噴火の影響を受けない仕入れ先や取引先の開拓をしておくことが大事です。富士山噴火のハザードマップや降灰予想エリアを見て、被害範囲が少ない、または無いエリアを開拓しましょう。新規の開拓は当然ながら、時間がかかります。取引先が営業停止になってから慌てて開拓しても、間に合わないケースがほとんどです。1年、2年とかけて開拓していくつもりで、早めに取り組むことが事業継続の対策になります。
どうしても替えの効かないものは、平時から多めに確保しておく
新規に取引先を開拓しようにも、どうしても替えの効かない部品や製品を扱う取引先が富士山噴火時の危険地帯に所在する場合もあります。この場合は、替えの効かないものだけ、平時から多めに在庫を確保する対策を検討しましょう。
重要な取引先と、事前に事業継続の打ち合わせをしておく
富士山噴火の影響は自社にも取引先にも及びます。それぞれの企業がつながって事業をおこなっている以上、対策は自社にも他社にも必要です。以前と比べて、最近は災害需要の高まりから、防災対策についての話題を持ち出しやすくなっています。重要な販売先や仕入れ先、製造先とは、災害時の事業継続対策について腹を割って話し合うことをお勧めします。
資金対策
事業継続対策として、資金対策を欠かすことはできません。自社および取引先の営業に支障が出ても持ち堪えられるだけの資金が確保できるよう、早めに対策しておきましょう。
どの程度の資金対策が必要か?
富士山噴火期間の目安を2週間程度とした場合、1〜2ヶ月は営業を停止しても持ち堪えられる資金が用意できると安心です。毎月の資金の回転に余裕が無い場合、経営体質改善の良い機会と捉えて、自社の資金に余裕を持たせましょう。固定費の削減、製造や仕入れのコストダウン、高付加価値で利益の出る製品や業態への移行など、企業全体で体質改善に臨む必要があります。
金融機関と災害発生時の返済や資金手当てについて事前に相談しておく
お付き合いのある金融機関と、災害発生時の対応について、あらかじめ相談しておきましょう。もし災害が発生して自社にも影響が出た場合、借入返済スケジュールの先延ばしは可能か、または借り入れは可能か。自社で事業継続計画(BCP)を立てた上で金融機関と交渉に臨めば、高い信頼のもとで資金需要の相談に乗ってもらえるでしょう。くれぐれも災害発生後に慌てて銀行に駆け込むことがないよう、金融機関とも早めの打ち合わせをお勧めします。
国や地方の災害対策の資金支援を活用する
近年では国や自治体をあげて、災害対策を支援しています。事前の災害対策への支援のほか、被災後の復旧支援を目的とした貸付制度もあります。各機関の窓口や専門家と相談し、あらかじめ情報を収集しておきましょう。
- 中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_a/bcpgl_08_10_1.html - 日本政策金融国庫「BCP資金」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/19_syakaikankyotaiou_m_t.html - 日本政策金融国庫「災害復旧貸付」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/saigai.html
富士山噴火に対応する社内体制
企業の災害へは、具体的な対策として実行する必要があります。災害に関する勉強会だけおこない、「防災意識が高まった」というだけで何もしなければ、災害が起きた際に事業に深刻なダメージを引き起こしかねません。社内で責任者や担当者を決め、具体的な対策を実行していきましょう。
災害対応・BCPの担当者とチームを決める
企業として富士山噴火の対策を始めるには、まずは責任者・担当者の任命からです。事前の対策や準備の起案、計画の申請、実行、災害発生時の指示系統など、充分な権限を持てる担当者を任命しましょう。災害対策は会社全体の危機対策方針に関わるため、「防災用品の購買担当者」レベルでは権限不充分でしょう。事業継続を見据えた対策には、人事、総務、財経、システム、購買、影響の大きい事業部など、全体にまたがった動きが必要です。そのため、企業全体を見ることのできる役職の方を、事業継続計画の責任者にすえることをお勧めします。その下に、具体的な立案や実行をするメンバーをそろえて、「BCPチーム」を作ります。
多くの企業は危機対策のみで専門の部署や人材を配置する余裕はありません。そのため、関連する部署から担当者を集めて、兼任でプロジェクトチームを作ることが多いようです。定期的な勉強会や会議でチームの意識と責任感を高めつつ、必要な計画を立てて実行していきましょう。
富士山噴火によって影響が出る範囲を明らかにする
富士山噴火に備える事業計画としては、まず、自社に影響が出る範囲を明らかにします。
- 富士山噴火時に避難が必要な地域か。
- 自社の関係する地域の降灰量予測はどの程度か。何名に影響が出るか。
- 通勤、店舗の開店は可能な降灰量か。
- 交通規制で納期が遅くなるもので、深刻な影響が出るものはあるか。
- 重要取引先の被害予想はどの程度か。取引先の営業停止で影響が大きい事業や製品はどれか。
- 一時的にも電力や水道、ガスなどのインフラが止まると影響が大きいものはどれか。
- 自社の事業が1〜2ヶ月滞った際の資金への影響はどうか。
自社への影響の範囲を明らかにして、それぞれに対策をうっていきます。
事前に対策できることを実行する
富士山噴火に備えて事前に対策できることは進めておきましょう。
- 備蓄品を購入する。影響を受ける人数分のマスク、ゴーグルなど。また下水が止まった場合に備えて営業所の3日分程度の非常用トイレ。噴火当日に帰宅が困難な営業所には寝泊まりできる用意。
- 降灰期間中にリモートワーク可とするか、出勤してもらうか、配分を決める。出勤の場合は交通渋滞に備えて、時短や時間差出勤を認めるか決める。リモートワークは必要な機器とサービスを用意する。また、リモートワーク終了のタイミングを決めておく。
- 富士山噴火によって被害の出る製品や取引先の代替先を探しておく。期日と目標(試作を取り寄せ代替可能と判断できるものを年内に3つ見つける、など)を決めて取り組む。
- 金融機関と資金対策について話し合っておく。公的な資金支援について説明を聞いておく。
なお、金融機関には、必要な試作を網羅した事業継続計画書を持参して話し合うことで、強い協力を取り付けることができるでしょう。
富士山噴火が起きた場合の行動手順書や指揮系統図を作成する
いざ、今日、富士山噴火が起きたら、どのように動くか。これまでの検討や準備を踏まえて、具体的な行動手順書を作成します。
富士山噴火に限らず、災害発生時は指示系統を明らかにしておくことを心がけましょう。情報の集約場所を作ります。責任者を1人だけにすると、不測の事態で当人が動けない場合に混乱が起きるため、セカンド、サードの責任者を任命しておきましょう。もちろん、誰が責任者になっても同じ方針で対策を進められるよう、勉強と情報共有は欠かせません。
全体の防災訓練をおこなう
これらの方針を固めた上で、全社、または影響のある事業で防災訓練を行います。実際に社員を動かす部署の責任者自身が防災対策を面倒くさがっていることもあります。防災訓練の前に、事前の勉強会や、被害シミュレーションの実施など、前々から参加を促して、本人の意識を高めておくと効果的です。
定期的な備蓄品、手順の確認を計画に入れる
備蓄品は購入して終わり、手順書は作って終わりでは、時間と共に不足や現状との齟齬が生まれます。特に非常食など保管期限のあるものは定期的なチェックが欠かせません。年に1回で良いので、定期的なチェックと見直しを年間計画に含めましょう。
事業継続計画書としてまとめる
事業継続の担当者とチームは、以上のことを検討し、計画に盛り込みます。実施の承認が降りたら、順次計画を進めてまいりましょう。
責任者や担当者が交代する場合
時間をかけて事業継続計画と手順書を策定したとしても、ほとんどの企業では、同じ人が10年も20年も担当していることは少ないでしょう。異動、休職、退職、事故など、担当者が交代せざるを得ない時がきます。その際、引き継ぎが充分でないと、これまでの蓄積が丸ごと無駄になる危険があります。
担当者の交代は必ず起きることを前提のうえに、書類化、マニュアル化、教材化を進めておき、新担当者がスムーズかつ最短の時間で必要な知識と意識を持てるよう、引き継ぎルールを定めておきましょう。
まとめ
企業の事業継続対策には、災害の直接的なダメージだけでなく、間接的に起こりえる様々な被害要因を総合的に予測し、対応策を考えなければなければならない難しさがあります。さらに、これまで東日本大震災に代表される地震や津波を念頭においた災害対策から、近年は近代都市で経験のない富士山噴火への対策の必要性が叫ばれるようになりました。国家的な防災意識の高まりで、国や自治体の支援も増加傾向にあります。防災コンサルティングを行う事業者も増えつつあります。自社で対策を立てることが難しい場合は、公的機関や専門家の力を借りて、早めに行動を起こすことをお勧めいたします。