火山・噴火の歴史:霧島山(新燃岳)
概要
霧島山は、九州地方の中央部に位置する活火山です。鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島山地の主峰で、標高は1,421メートルです。
この火山は複合的な構造を持っており、中央火口丘と数多くの外側の火口からなっています。主な構成体は、新期外輪山、中央火口丘群、古期外輪山の3つに大別されます。
形成
霧島山の火山活動は古く、およそ30万年前から始まったと考えられています。活動期間中には、数多くのな噴火と、溶岩流出による形成がありました。
最新の大規模な噴火活動は、およそ5,000年前から1,000年前までの間に起きた新期外輪山の形成期と言われています。この時期には、火砕流や火砕サージが発生し、周辺に大きな被害をもたらしました。
1962年には、硫黄山北側で噴火が発生し、新しい火口が形成されました。また、2008年から2010年にかけては、新燃岳の北北西約300mに位置する場所で新しい火口が生まれ、活発な噴火活動が続きました。
霧島山の噴火の歴史
有史以来活発な噴火活動を続けてきた霧島山ですが、12351年と1716年の噴火は大規模なものでした。1716年の新燃岳の噴火は7期にわたる「享保噴火」と呼ばれるもので、11月に発生した噴火では火砕流が発生し、死者5名、焼失家屋604余棟に及びました。翌17年9月には享保噴火最大の噴火が発生し、場所によっては2m近い火山灰に覆われました。
1822年には文政噴火が新燃岳で生じます。噴火後にラハール(火山泥流)が発生して、河川が増水しました。
1895年、1896年、1900年、1923年には御鉢で死者を伴う噴火が発生します。
1959年に新燃岳で中規模の噴火が発生し、東西500mの火口列が形成され、噴石・降灰による被害も生じました。
2011年1月に、新燃岳で文政噴火以来189年ぶりのマグマ噴火が発生します。19日の小規模噴火の後、同月26日に準プリニー式噴火へ移行。大量の火山灰や軽石を放出します。翌日から火口内に溶岩が噴出、2月上旬には溶岩ドームが直径約600mまでに成長します。その間、1月30日には高原町に512世帯・約1150人に避難勧告が出されました。その後も噴火が続き9月までに噴石による物的被害が多数生じました。
参考文献
『日本の火山』, 山と渓谷社, 2016年
霧島山関連のハザードマップなど
- 気象庁 霧島山 https://www.data.jma.go.jp
- 宮崎県 霧島山火山災害予測図(霧島山火山ハザードマップ) https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kiki-kikikanri/bosai/saigai/20211129133059.html
- 霧島市 霧島火山防災マップ https://www.city-kirishima.jp/anshin/shobo/kazan/bosai-map/bosai-map.html