火山・噴火の歴史:御嶽山
概要
御嶽山は、長野県と岐阜県の県境に位置する活火山です。標高は3,067m(剣ヶ峰)と、日本で5番目に高い山となっています。この火山は、長野県側から見ると典型的な成層火山の姿をしていますが、岐阜県側からは火口壁が削られて馬蹄形になっている様子が分かります。
御嶽山の山体は主に安山岩から成り立っており、マグマの噴出に伴って形成された火山弾や火砕流堆積物なども認められます。火口直下にはマグマ溜まりが存在すると考えられています。
御嶽山の噴火の歴史
御嶽山は1979年噴火以前の歴史記録に残る噴火が発見されていませんが、山頂南西の地獄谷における噴気活動は、最近数百年間継続しています。
1979年、有史以降初の噴火が起きます。10月28日早朝、剣が峰南斜面火口群からの中規模の噴火で、火砕流が降下。
1984年9月14日、御岳山南南東斜面で岩屑なだれが発生。御嶽山朝のやや南方に生じた山崩れは60km流下して、王滝川に達するなど、所々で大規模に崩壊しました。死者29名、住宅全半壊 87棟で、地震活動は数年後にほぼおさまりました。
2014年9月 御嶽山噴火
御嶽山は比較的穏やかな火山と見られていましたが、 2014年9月の剣が峰南方からの突如の噴火は、山頂付近を歩いていた登山者50名以上が犠牲になりました。登山者の噴火による被害としては過去最大です。噴火の規模は特別に激しいものではありませんでしたが、すぐ近くの火口から飛び散る噴出物が、命を落とす最大の原因でした。
噴火の起きた79-7火口では、1991年5月にも小規模な水蒸気噴火。5月20日の現地調査で、79-7火口から火山灰を噴出した跡を確認しましたが、これまで噴気もありませんでした。1992年11月12日、火山性地震増加。翌93年3月下旬以降、山頂の南南東約10km付近で地震活動が活発化。95年8月下旬にごく微小な火山性微動が7回発生。2006年12月中旬、わずかな山体膨張が始まります。 2007年の1月、79-7火口で水蒸気噴火が起こります。
そして2014年9月27日、火山性微動を観測した直後に剣が峰南斜面の火口群から水蒸気爆発しました。熱風とともに噴石、火山灰が飛散。死者58名、行方不明者5名、負傷者69名(2015年11月現在)です。
参考文献
『日本の火山』, 山と渓谷社, 2016年
御嶽山関連のハザードマップなど
- 気象庁御嶽山の活動状況 https://www.data.jma.go.jp
- 岐阜県 火山防災 https://www.pref.gifu.lg.jp/page/56519.html
- 木曽町 御嶽山火山ハザードマップ https://www.town-kiso.com/bousai/bousai/100378/100463/
- 下呂市 御嶽山火山ハザードマップ https://www.city.gero.lg.jp/soshiki/6/411.html