噴火の予兆・前兆
火山が噴火する前には予兆や前兆があります。たとえば、地震や地殻変動、地面の膨らみや傾斜の変化、火山ガスの増加などです。地震の増加は特に重要で、地下での岩石の動きにより起こると考えられています。これらのサインは、火山が活動し、噴火の可能性が高まっていることを示唆していますので、個人として防災対策を準備するほか、地元の自治体や気象庁などの専門家が情報を提供し、適切な対策を取るように呼びかけます。
代表的な前兆として以下の現象があります。
火山性地震
マグマが地下で移動し、地下の岩盤に圧力をかけると、地震が発生します。地震の数や頻度が通常よりも増加し、地震の深さやパターンに変化が見られる場合、噴火が近づいている可能性があります。
鳴動と空振
火山の深部で溜まっていた気体や岩の破片が噴火口付近で急速に拡散し、周囲に衝撃波を生じさせます。これにより、周辺地域では山のほうから爆発音がしたり、ガラスの振動が感じられることがあります。
噴気の異常
マグマが地下から上昇する際、マグマ中の火山ガスが先に放出され、新たな噴気口が形成されたり、既存の噴気口からのガスの量が急増することがあります。特に硫黄の臭いや煙が濃くなるなどの現象が観測される場合、噴火の可能性が高まります。
地割れ
地下でのマグマの圧力が高まると地殻に応力がかかり、地表面に亀裂が生じます。
海、湖、河川の水の異常
地熱が放出され、水温の急激な上昇や水位の異常上昇がおこります。変色したり濁ったりすることもあります。
温泉や湧水の異変
地下での圧力変化や岩盤の移動により、地下水や温泉の流れに変化が生じ、湧水口の水量や温度に異常が現れます。新たに温泉が出現することもあります。
植物が枯れる
地下の地熱や有害なガスが上昇し、植物が枯れることがあります。
動物の異常行動
鳥や動物が大量に避難する、魚が水から飛び跳ねる、家畜が不穏な行動を示すなどがあります。これらは地下の地殻変動や気象条件の変化に敏感に反応し、噴火の直前に観測されることがあります。
山の窪地や谷に小動物の死骸
火山ガスは空気よりも重いため、窪地や谷などに滞留することがあります。そうした場所で小動物の死骸がある場合、火山ガス滞留の可能性があります。
夜間に煙や火山灰が赤く見える
噴火によって放出される煙や火山灰に含まれる微粒子が太陽光を散乱し、夜間に光が反射されて赤く見えることがあります。
岩肌の色が変わる
岩の表面が加熱されることで、岩の鉱物成分が変化したり、放出されるガスや溶岩が岩肌に作用することで岩肌の色が変わることがあります。
溶けた硫黄が吹き出し、沼ができる
地下の活発なマグマ活動により地下水中の硫化水素が溶解し、地表に噴出します。地下でのマグマの移動や圧力の変化を示唆しています。
落石が増える
岩石の変質や地下の圧力変化により地表にストレスがかかり、岩盤が緩むことがあります。
火口から黒い煙が増える
溶岩や火山ガスが火口から噴出し、岩石や火山灰などが混ざるため、黒い煙が増えることがあります。