噴火が起きるとどうなるの?
111の活火山が存在する日本。大規模な地震が続く中、多数の火山の噴火が懸念されています。大規模な噴火に備えて、必要な知識を学びましょう。
いきなりドッカーンと噴火するの?
火山の噴火はある程度予測可能です。
一般的には噴火の前から予兆が見られます。
気象庁では全国110の活火山の活動状況を監視し、噴火の予兆について調べています。
ただし、噴火予知の技術はまだ不完全であるのと、兆候無く噴火ないし爆発がおきる現象が世界各地の火山で報告されています。
予兆の例:
- 人間が感じることのできない地震が山の中で起きる。
- 人間が感じることのできる地震が山の中で起きる。(マグニチュード2〜3程度のものが頻発することから始まり、マグニチュード5以上のものも発生する場合がある)
- 山体が膨張したり、地殻変動が起きる
噴火にともなう現象
噴火にともない発生する現象について紹介いたします。
噴石
爆発的な噴火によって、火口から吹き飛ばされた岩石などが落下してくる現象です。
直径50cm以上の大きな噴石は、風の影響を受けずに短時間で落下します。火口から出てくるときのスピードが200m/sを超える場合もあります。火口から2km〜4kmに多数飛来し、建物の屋根を壊したり、登山者が死傷する被害が出ます。
噴火の規模が大きい場合、火口から10km以上離れた遠くでも風に流されて小さな噴石が落下してきます。当たりどころが悪ければ、人が死傷する場合があります。
火砕流
火山灰や岩塊、水蒸気、空気などが、高速で地表を流れてくる現象です。
最も速いところでは時速100kmを超えるため、人間の足では逃げきることができません。
火砕流の温度はとても高く、600℃以上を超えることもよくあります。
融雪型泥流
雪が積もっている寒い季節に噴火が起き、火砕流などの熱で雪が一気に溶かされると、発生した大量の水が土砂や岩石を巻き込んで山頂から一気に流れてきます。
その速さは時速60kmを超えることもあり、最大で100km以上の距離を流れます。火山周辺の広い範囲で被害を受けます。雪が降っている時期に噴火した場合は要注意です。
溶岩流
高熱の溶岩が斜面を流れ、家や道路を埋め、近くの木々を燃やします。流れの速さは人が歩く程度なので溶岩流を確認した後でも逃げることは可能です。
火山ガス
火山ガスはマグマに溶け込んでいたガス成分が気体となって吹き出すもので、二酸化炭素や二酸化硫黄(亜硫酸ガス)などの有毒な成分を含むことがあります。火口などガスが出ている周辺や窪地などのガスがたまりやすい場所には近づかない等の警戒が必要です。
小さな噴石
噴火の規模が大きい場合、火口から10km以上離れた遠くでも風に流されて小さな噴石が落下してきます。当たりどころが悪ければ、人が死傷する場合があります。
1707年の富士山宝永噴火では、火口から10km離れたところでも20センチ程度の噴石が飛んだという記録が残っています。
火山灰
細かく砕けたマグマが空高く吹き上げられ、風に乗って遠くまで運ばれます。特に火口の近くでは50センチ以上厚く積もり、ほとんどの木造家屋を倒壊させる程の重さになります。
人体に健康被害を与えるほか、飛行機のエンジントラブルを起こしたり、農作物被害などにつながります。
広い範囲で被害をもたらす「火山灰」
広大な範囲で被害をもたらすものは「火山灰」です。
噴火の規模によっては数十km〜数百km離れた場所まで火山灰は風に乗って飛ぶので、例えば富士山が噴火した場合は首都圏にも被害が及びます。
火山灰は「灰」と書きますが、タバコの灰のような燃えカスではありません。実際はマグマが細かく引きちぎられてできた「ガラス片」です。そのため、眼に入ると結膜炎や角膜剥離の恐れがあり、口から入ると呼吸器障害の恐れがあります。
噴火の期間
他の災害と違う噴火災害の特徴は、期間が長期に及ぶ可能性があることです。
早ければ1日〜数日で噴火が止まることがありますが、数週間、数ヶ月もの間続く事例も少なくありません。その間、噴火の種類によって、溶岩や火山灰が絶え間なく噴出します。
噴火災害に備えよう
噴火災害の特徴を理解し、事前に適切な準備・対策を心がけましょう。