噴火ドットコムとは

近年、日本では、かつてないほど防災の意識が高まっています。特に2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏直下地震、東海地震、その他、おもに地震を発端として発生が予想される津波や噴火を想定したシミュレーションが政府や識者の間でもなされています。

その中で現在、発生が予想されつつも、対策が遅れているのが噴火災害です。地震と比べて噴火は数十年、数百年ごとにおきる現象なので、噴火を経験せず生涯を終える人も多く、日本人の多くも噴火の対策方法を知らないでいます。

しかし、東日本大震災をきっかけに大陸の地下活動が活発化し、日本各地で噴火の可能性が高まっています。例えば日本の象徴の一つである富士山は、火山・地質学者の間では近年中に噴火するという意見が多くあります。富士山が最後に噴火した1707年の宝永噴火では、富士山近辺のみならず江戸に至るまで広範囲に被害がおよびました。現在残っている記録では、富士山は平均100年に一度程度噴火する活火山ですが、その富士山が300年近く噴火していないため、もし現代に噴火した場合は相当量のマグマが放出され、甚大な被害をもたらすことが予想されます。

私事ですが、私も妻と二人の小さい子どもを持つ親であり、「もしもの時、家族は大丈夫か」と考える一人の人間です。現在の居住地である東京では、先述の富士山や浅間山の噴火時には降灰が予想されており、他人事ではありません。ところが、噴火に対する対策をしたくとも、現在数多く出ている防災商品の中で、噴火の防災を想定したものがほとんど見当たらないのが現状でした。

私たちは地震と同じように、知識と事前の準備があれば噴火の被害を最小限にできるものと考えます。国や自治体がすべきこともありますが、各個人・各家庭が防災についての意識を持ち、常に備えをしておく事で、被害を抑えるのみならず、他の被災者の援助や復興へいち早く取り組む事が可能になります。

そのために、私たちは噴火に関する知識、情報の発信と、対策に必要な商品を提供する「噴火.com」を立ち上げました。

災害は遭わずに過ごすことができれば幸運ですが、過去の歴史を見る限り、日本では噴火の記録が数多く残っています。知識や備えが不足していたために多くの方が心身・経済の大きな被害を被ることがないよう、最新・最良の情報と必要用品を提供してまいります。

上地 忍(防災士)